沿革/組織
昭和63年に精神保健法が施行され、生活訓練施設・福祉ホーム等が制度化されました。ホーム連の誕生は、この翌年(平成元年)、福祉ホーム「はらからの家」の伊澤氏の呼び掛けにより、新宿区の池田会館において都内5ヶ所の福祉ホーム(はらからの家・池田ハウス・烏山ハイツ・サンライズ・美山ヒルズ:名称は当時のもの)が一同に会し『東京都精神障害者福祉ホーム連絡会』が結成された事が始まりです。2回目からは「ふるさとホーム荒川」が加入し、「(旧称)東京都立中部総合精神保健センター」ホステルのスタッフもオブザーバーとして参加するようになりました。
私事ですが、その年に新卒で就職し、病院併設だったとはいえ、一人職場で暗中模索の中、ホーム連の存在、諸先輩方のアドバイスはどんなにか心強く、励まされたかわかりません。また、美山ヒルズが医療色に偏らず、医療と福祉のバランスを保つことができたのも、ホーム連があればこそと、感じております。
例会では、行政の動きや運営についての情報交換、利用者処遇についての意見交換を行ない、東京都への要望書提出も行ないました。
記念すべき第1回目の要望書の内容は、福祉ホームの定員の引き下げ、利用期限の撤廃、職員の増員、補助金の整備・拡充というものでした。平成2年度から平成12年度まで続いた生活保護第46次改定問題(援護寮と福祉ホームの生活保護基準が入院と同じ施設基準が適用された)では、全国調査や日本PSW協会と協働して国への要望も行ないました。
平成2年、東京都は小規模福祉ホームを創設し、北区の「あゆみホーム」が制度適用を受け、加盟。グループホーム開設準備中の団体も順次加盟するようになっていきました。
平成4年、東京都はグループホームを制度化(これにより小規模福祉ホームは廃止)。平成5年には都内では民間初の援護寮(生活訓練施設)「荒川愛恵苑」が開設され、福祉ホーム以外の会員の増加を受け、当会の名称も平成6年5月の総会において『東京都精神障害者共同ホーム連絡会』と改称されました。
当時の例会で共同ホームに関する情報が、入院中の当事者や病院スタッフ、区市町村など関係機関に行き渡っていないことが度々話題になり、“伝える努力を惜しみなく”を合言葉に、準備を進め、平成6年3月に『元気がでる東京共同ホーム読本‘94』を出版しました。それがとても好評であり、平成8年4月には『東京共同ホーム読本’96Vol.2』を、平成13年4月に『東京共同ホーム読本2001 Vol.3』、平成16年8月には『東京共同ホーム読本2001追補版』を出版しました。また、平成11年3月には東京都立多摩総合精神保健福祉センターと連携して『東京都グループホーム実態調査報告書』を刊行しました。これらの伝える努力が、今回のホームページ作成につながりました。
例会は毎月行ない、対都交渉も発足以来欠かすことはありません。平成14年の補助金の対象経費問題では、授産施設連絡会、支援センター連絡会、作業所連絡会と4団体を結成し、約1年にわたり、都との交渉を重ねました。
平成17年、自立支援法の成立直前には、全国精神障害者地域生活支援協議会(ami)と、神奈川県のホームの関係者とで、厚生労働省に出向き、ホーム入居中の入院時問題を協議し、緊急にホーム連内でアンケートを行い、結果入院時加算の創出につながりました。
長い歴史の中で常に課題と向き合い、利用期限や補助金額、アフターケアやグループホームの空室補償問題、自立支援法への移行に係る諸問題など、会で検討を重ね、行政とも協議をしてきました。改善されたこともありますが、課題として残っているものも少なくありません。
現在、会員は都内の精神障害者生活訓練施設、精神障害者福祉ホーム、共同生活援助(グループホーム)、共同生活介護(ケアホーム)、自主運営(無認可)の事業所・職員、計100箇所以上が加盟しています。
(文責:美山ヒルズ 北川裕道)
東京都精神障害者共同ホーム連の組織
「東京都精神障害者共同ホーム連絡会」の組織と活動について
東京都精神障害者共同ホーム連絡会(以下「都ホーム連」)は、都内のグループホーム、福祉ホーム、宿泊型自立訓練、自主運営の共同住居、開設準備中の事業所により運営されています。
主な活動は、月1回の例会、年2回の東京都立多摩総合精神保健福祉センターとの、共催による研修、東京都の担当部局との交渉、都議会の各政党とのヒアリング、他団体との連携、交流等です。
それぞれのホームは職員数が少なく、一人職場であるというホームも珍しくありません。近年の制度の変更等に伴う、煩雑で複雑な事務についての質問や、入居者支援の在り方など、何から何まで、少ない職員で何とかこなしながら、運営しなくてはなりません。困ったことにぶつかることや、うまくいかずに落ち込むことも、少なくはありません。そういう時に、同じようなことに、日々奮闘している他のホーム職員に相談したり、あるいは愚痴をこぼしたりして、ほっと息をつくのが都ホーム連の例会です。
都ホーム連では、この例会を大事にしています。忙しくて例会に出られなくても、一度顔の見える関係ができると、本当に大変な時に電話一つで相談に乗ってくれる、遠くにいる同僚のような関係ができます。孤軍奮闘している職場が少なくないため、「お互い様」という気持ちで助け合える、そんな連絡会であり続けることを目指しています。
都ホーム連では、総会で選出された役員が、様々な役割を分担しています。ここでは「例会・研修」「渉外」「広報・書記」の各係を紹介します。 ぜひ、都ホーム連に参加して「ほっと一息」いれませんか。
(ケアホーム大沢 金林智子)
例会・研修
研修担当は主に二つの役割を担っています。
一つは平均月一回開催している都ホーム連定例会議(毎月第三火曜日)と年一回開催の総会(5月)における司会です。
定例会は、情報交換だけでなく一人で悩みを抱えがちな職員の相談の場でもあり、交流の場でもあります。
もう一つは年二回(6月・2月)多摩総合精神保健福祉センターと共同で行う研修の企画・運営です。研修の内容は、毎回の研修後アンケート(感想)結果を参考にさせていただいていますが、皆様が関心のあるものを積極的に取り入れていきたいと考えておりますのでご意見・ご要望をお待ちしております。
研修担当では、サービスを提供する対象者だけでなく、職員も元気になれるような定例会や研修を目指しております。是非!知識と元気を分かち合いましょう!!
渉外
渉外の役割は、主に次の2つです。
(1)東京都及び都議会各会派への要請行動とヒアリング
毎年7月頃、東京都知事あてに共同ホームや関連する都の施策について要望書を提出し、現状と課題について意見交換をしています。
都の担当部署とは、それ以外の機会にも共同ホームに関する重要な事柄について懇談の場を持っています。
また、同じ要望書をもとに、都議会各会派とのヒアリングを行っています。
(2)東京都精神保健福祉民間団体協議会(都精民協)への参加
都精民協は、都内の精神保健福祉9団体(家族会、地域生活支援とうきょう会議、就業支援事業者の会、当事者会、授産連、支援センター連、てんかん協会、ボランティア連絡協議会、ホーム連)の連携の場で、都などへの意見要望の提出、施策提言、調査研究、広報、研修などを行っています。
この他にも国(厚生労働省)に対しても、意見をあげることもありました。
このように、行政や他団体との交渉、連携の役割となりますが、現場の各ホームの皆様の現状や思いをくみ取ること、また、行政などの様々な動きを皆様に伝えていくことを大事にして、活動していっています。
(やまびこ三原荘 渡辺智生)
広報・書記
- 例会開催後のニュースレターの作成
毎月、例会の記録をとり、担当者がニュースレターを作成。加盟事業所へ、主にメーリングリストで配信。
- ホーム見学会の設定と開催+その報告
年2回、見学会を開催。グループホーム、支援センターなど。 見学開催後参加者に見学記を書いてもらい、次に流れるニュースレターと共にメーリングリストで送信する。
- メーリングリストの登録・管理、ホームページの更新・修正
メーリングリストの登録等の管理。
ホーム連ホームページの情報更新、及び、修正など。
- その他
代表、副代表からの指示により、必要に応じて渉外に記録として参加することや、調査などを行う。